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 パレスチナ・ガザ地区では、5月10日以降、イスラエルによる11日間にわたる空爆により、66名の子どもを含む256名が命を落とし、約2,000名が負傷しました(5月23日現在)。空爆は日に日に激化し、人々にとっては恐怖の毎日が続きました。現地からは「次は自分が死ぬかもしれない」「とにかく祈ってほしい」「足が震えて立てず、手の震えでスマホのボタンすら押せない」といった悲痛な声が連日届きました。

 5月21日に停戦を迎えたものの、ガザにおける建物やインフラの損害は甚大です。多数の負傷者に対応するなか、病院も空爆の標的になったため医療もより逼迫し、あらゆる面でこれまで以上に支援が必要な状況となっています。また、家族や友人など大切な人、家や財産、生活を失ったこと、そして11日間におよぶ恐怖による人々の心の傷は消えることはありません。

 過去約20年間ガザ地区で活動を行ってきたJVCは、そういった人々に寄り添って一助となれるよう、通常の子どもの栄養改善支援と並行して、以下の活動を実施します。
▶今回の空爆による影響を受けた貧困家庭への食料と衛生用品の支援(通常の活動地にて)
▶パートナー団体の保健師とボランティアへの心のケア研修
▶医療だけに留まらず地域の人びとを支えるエル・ワファ病院への支援


 どうか、みなさまからのお力添えをお願いいたします。

心のケア研修(8/30更新)

普段からJVCの事業で子育てアドバイザーとして活躍してくれているボランティア女性たちを対象とした心のケア研修が、2日間にわたって開催されました。地域ごとに二つのグループに分け、各回20人ずつで行いました。参加者にとっては非常に有意義な時間となりました。

この研修は、空爆の被害者でもあるボランティアの女性たち自身の心身の回復とその維持、そして、活動を通して人びとと接した際、必要に応じて対応できるようにする※1ことを目的として実施しました。

※1:心のケアと言っても専門的な知識を身に着けて治療するわけではなく、危機的状況にある人がどんな段階でどんな反応をするのか、その反応に対して一般にどんなことができるのか、といったことや、人と接することが多いボランティアさんたちの自分自身のストレスマネージメントを学ぶことを目的としています。

プログラムの内容

▶プログラム内容◀

・アイスブレイク
・普段別々に活動するグループ同士のネットワーキング
・リラクゼーション
・心理的ストレスの種類とコーピング戦略
・心理的応急処置(PFA)
・セルフケア
・「生命の木」アクティビティ※2
・感情表現方法/心理的な(感情の)放出のためのアクティビティ(踊りと歌)
・参加者間での意見交換
・レクリエーションゲーム など

※2:文化、遺産、精神性、強さ、希望に焦点を当てた物語論に基づく回復のためのアプローチ。強さ、回復力、人間関係の心理的アイデアを紹介する。



今回のガザでの空爆のことだけではなく、他の要因のストレス解放にも繋がったようでした。とある女性は3年前に脳性麻痺で20歳の若さで亡くなった息子さんのことを泣きながら話していました。「あの子の笑顔は部屋全体を照らすほど明るいの」と、彼女はその息子さんと一緒に海で泳いでいる夢をたびたびみると話していました。彼女はセッションのあと、彼といることを想像して涙を流しながら、来世でそれが叶うよう神に祈っていました。


封鎖下のガザでは大規模空爆時のみならず、平時から人々が困難を多く抱えて生きています。事業地でも脳性麻痺の子はおり、最近当事業の対象地でも数が増えているように見受けられる、との保健師からの情報もありました。ガザでは施設の面、そして文化的な面からも障がいを抱えた子どもを育てることは容易ではありません。貧困家庭にとっては数少ない専門機関で治療やリハビリを受けることは大きな経済的負担になります。彼女はそんな中でも愛を持って大事な我が子を育てあげていました。そんな息子を亡くした記憶が、今回のセッションで蘇り、戦争後のストレスとともに、そのときの感情を解放していました。
また、若い女性が「生命の木」アクティビティについて説明するビデオが上映されました。彼女は、今、彼女が生きている人生を創造した物語のツリーを描くことにより、今いる場所に満足できたと言っていました。

彼女の両親のサポートが彼女の人生に大きな影響を与えたそうです。とりわけ、彼女の父が彼女を法科大学院に入学させることを熱心にサポートしてくれ、それが彼女自身の自尊心の獲得につながっていると感じているそうです。また、彼女は新しく出会った多くの人々と良い関係を築いているとも話していました。

辛い体験の共有では多くの女性ボランティアたちが涙を流しており、感情の解放が切に必要であったことが見受けられました。ただ、その他の場面では気持ちを共有し、時には音楽に囲まれ、参加者はみな楽しそうに過ごしており、会場は笑顔に溢れていました。

子育てアドバイザーである彼女たちの心身の健康が取り戻されないと、これまで実施してきた子どもの支援を効果的に行うことが困難になります。また、彼女たちは通常の活動の中でたくさんの人たちと接する存在であるため、彼女たち自身が心から癒され、事業地の保護者と子どもたちの力となれるようJVCも支援を続けていきます。

エル・ワファ病院からのメッセージ(8/25更新)

前回のご報告から時間が開いてしまいましたが、
時間がかかっていた送金がようやく現地に到着し、
エル・ワファ病院の院長であるバスマンさんから、
ご支援下さったみなさまへのメッセージが届きました。
動画の中でバスマンさんは、「みなさんのご支援で必要な医薬品を提供することができました。」と話しています。そして、「支援を通して、ガザの外から自分たちのことを想って支えようとしてくれる人が、まだいるんだと感じることができる。」とも語っている通り、みなさんのお気持ちはガザの人々にとって精神的な支えともなります。

本当に温かいご協力に感謝申し上げます。


今回のような大きな空爆だけでなく、非常事態が常態化しているガザ。そんなガザでは多くの病院が平時から逼迫しており、職員の給与をはじめとして様々な出費を節約して人々に医療を提供しています。エル・ワファ病院もその一つです。

現在のところJVCが継続的に病院支援を行うことは難しいのですが、今後も必要な時に協力できるよう努めていきたいと思っております。

英語表示のみとなりますが、以下のURLからエル・ワファ病院のホームページをご覧になれます。
(病院への直接の寄付フォームあり)
http://en.elwafa.ps/#home

ボランティアの女性たちが久々に集合!(7/13更新)

ガザの緊急事態に際し、約300名(団体を含む)の方々から合計で500万円を超えるご寄付をいただきました!誠にありがとうございます!

送金に時間がかかっておりますが、活動は少しずつ開始しており、6月の終わりには保健師とボランティアさんたちが集まって、お互いの近況報告をしたり、保健師から緊急支援活動のことなどについて説明が行われました。


久しぶりに集まってお互いの顔を見ることができたボランティアの女性たち。
私たちスタッフはまだ空爆後、ガザに入れいていませんが、誰一人欠けることなく写真ででも彼女たちの元気な姿を見ることが出来て大変嬉しく感じました。
今のところ、5月のような大規模な攻撃が起きていないとはいえ、停戦後も数回短時間の空爆がありました。一般市民の居住区は攻撃対象にはならず、死傷者も出ていませんが、5月の停戦も正式なものではなく、ガザの人びとはいつまた同じことが起こるかわからないという不安な状況の中にいます。

それに加えて、空爆後、ガザへの物資の供給がこれまでにも増して厳しく制限されており、食料や日用品、燃料などの価格が高騰しています。長引く新型コロナウィルスの影響に加えて今回の空爆により、ガザの人びとの暮らしは一層厳しいものになっています。

日ごろから異常事態が起きているガザへの支援は、今回のような空爆が起きた時だけでなく、継続的に必要なものとなっています。停戦しても、封鎖された地域で暮らさざるを得ない人びとの根本的な問題は解決していません。

どうか、引き続きJVCを通してガザの人びとを支えていただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

ご寄付の御礼と活動の進捗(6/24更新)

6月24日現在、210名(団体を含む)の方々から360万円を超えるご寄付をいただいております。本当にありがとうございます。ご寄付と一緒にメッセージも多数いただいており、その一部を抜粋してご紹介したいと思います。
◆ 少しでも力になりたく、寄付させていただきました
◆ つながり続けることの大切さを実感しています
◆ ガザの方々に思いを巡らす機会を作ってくださりありがとうございます。
◆ ガザの子どもたちに元気が戻りますように!
◆ ガザの皆様の心の傷が早く癒えますように祈っております。
中には、ご友人向けにアラブ料理を作ってカンパを集めてくださった方もいらっしゃいました。
また、私たちスタッフへの気遣いのお言葉もいただいており、大変恐縮です。
現地パートナー団体のスタッフを含め、事業チーム一同、みなさまに心より感謝申し上げます。


活動地の一つ、ヌセイラート難民キャンプにて

コロナ禍で家庭訪問はまだできませんが、コミュニティセンターを使っての健診を再開しました。この日の健診では、くる病の子どもが多かったそうです。健診や講習に足を運んでくれた家庭の中で、子どもの栄養状態が悪く、特に貧困で家屋に被害があった世帯に、食料や衛生用品を配布します。
くる病の講習に参加してくれたお母さんと子どもたち。講習は、お母さんたちのコミュニケーションの場ともなっています。
くる病の講習に参加してくれたお母さんと子どもたち。講習は、お母さんたちのコミュニケーションの場ともなっています。
肝心の活動の方ですが、健診や講習、栄養失調傾向にある子どもたちのフォローアップなどを順次再開しながら、その他の支援活動の準備を進めています。パートナー団体AEIのスタッフもボランティアの女性たちも自身が被災者であるため、彼女たちに無理がかからないように進めてもらっているという状況です。また、エル・ワファ病院は、毎日やりくりしてなんとかつないでいる状況だということで、現在支援金を送るための手続きを進めています。

ガザは停戦から1ヶ月が経ち、先週再びガザからの風船爆弾投下とそれに対してイスラエルが空爆があり、緊張が高まりました。この時は一般人の被害もなく一晩でおさまりましたが、ガザの人びとはいつまた停戦が破られて空爆を受けることになるか、不安な日々を過ごしています。それでも、瓦礫の山を横目にしながら、復興に向け歩きだしている人びとをJVCは支えていきたいと思います。
どうか、引き続きご支援や情報拡散などにご協力いただけますよう、
よろしくお願いいたします。

ガザの人たちは助け合って日々をなんとか生き延びているよ…(6/14更新)

ガザで唯一のリハビリ専門機関であるエル・ワファ病院のバスマン院長に現地の状況やニーズなどの聞き取りをしました。

「ガザでは、ファラーフェル(※1)を1シェケル(※2)で買うことが出来る。でも、それすら買えない人に、お店の人は無料でファラーフェルをあげる。日々の買い物も、病院の薬代も、お店側は事情を理解して支払を待ってくれる。病院同士では自分のところで余った医薬品などを、必要とする他の病院に提供するなど都合し合っている。そうやってガザの人たちは助け合って日々をなんとか生き延びているんだよ。」

ガザは、2007年から一方的に陸海空を封鎖され、人や物資の出入りが厳しく制限され、今回の空爆以前にも3回、大きな攻撃を受けました。その度にたくさんの命がなくなり、建物やインフラは破壊され、再建もままならないうちにまた大きな攻撃を受ける。人びとはそんな中でお互いに助け合って暮らしてきたのです。

※1) ひよこ豆で作るコロッケで、パレスチナを始めとするアラブ諸国で食べられているポピュラーで安価な食べ物。
※2)パレスチナの通貨で、1シェケルは日本円にして約30円

写真左上がバスマンさんです。声を荒げることもなく、いつも淡々と冷静に状況を説明してくれます。
このエル・ワファ病院では、大きな病院で手術を受けた重症の患者さんの他、身寄りがなく医療が必要な高齢者の受け入れもしています。2018年にガザで起こった「帰還の大行進」(※3)の際にも、JVCで募金を集めて支援させていただいた病院です。当時病院を訪れた山村と大澤は、バスマンさんのその姿勢と志に深く感銘を受けました。

バスマンさんがどういった方なのか、ぜひこちらのインタビューをお読みいただけたらと思います。
「給料を削ってでも運営を続けねばならない」 〜ガザ地区唯一のリハビリ病院、ワファ病院・バスマン院長のインタビュー~


(※3)
2018年3月30日の「土地の日」から開始された、パレスチナ難民の帰還を求める大規模抗議デモのこと。パレスチナ人がガザを囲むフェンスの向こうにいるイスラエル兵に石を投げると、兵士は体内に入ると先端から花びらのように広がって骨や筋肉、神経までを粉砕するバタフライ弾という弾丸を使って、人びとを狙撃。1年半で326名が亡くなり、3万5,000名以上が重軽傷を負った。

人びとを支える病院

エル・ワファ病院は56床と規模は大きくありませんが、ガザで唯一のリハビリ専門病院であり、医療施設が少ないガザの中でとても重要な役割を担っています。

国際支援はより大きな病院に入ることが多く、ここには支援が集まりにくいのが現状です。そんな中で、バスマンさんはじめ医療スタッフは、患者さんのケアのため給料などを削って、必要な医薬品、物資、発電機の燃料、患者さんの食事などを賄ってきました。

そんな病院も空爆の影響で救急車の車庫を含む建物と、ソーラーパネルなどに損害を受けました。空爆中は1日3時間程度しか電気が使えず、停戦後も通電するのは8時間毎です。人工呼吸器や体温を一定に保つための機械など、重症の患者さんに使う医療機器などは24時間止めることはできません。

また、特に抗生物質や鎮痛剤など投薬を中断することができない医薬品も毎日なんとか手配している状態だと言います。ガザ内の市場で購入しているということですが、資金が足りない時には支払を待ってもらうなどして、手に入れているそうです。これは、資金が不足していることに加えて、イスラエル当局による物資供給の管理のために、必要な時に必要な量がガザ内に入ってこないことも理由です。

更に、患者さんたちの食料も不足しています。患者さんたちは、健康な人に比べてより栄養が必要にも関わらず、十分な食事を提供できていないとバスマンさんは語りました。病床が足りず、入院待ちになっている患者さんもいるそうです。

また、ガザでは空爆や建物の倒壊などの際に生じた粉塵やほこりなどを吸い込むことで、のどが痛い、咳が出るなどの症状が出る人が多発しているそうで、バスマンさんも話の途中で何度も咳き込んでいました。

JVCとして、この非常事態の中で患者を受け入れ続けているこの病院に対しても支援を実施したいと考えています。大変悔しいことに全てのニーズに応えることは出来ませんが、出来得る限りパレスチナの人びとに寄り添って、支援を届けていきたいと思います。

どうか、みなさまのあたたかいご協力をお願いいたします。

子どもたちがまた栄養失調に逆戻りしないように(6/11更新)

先日、パートナー団体AEIの保健師アマルさんと支援の調整会議を開きました。

その中で、アマルさんからは、「活動が中断してしまうことで、せっかくこれまでの活動で栄養状態が良くなってきた子どもたちの栄養状態がまた悪くなってしまうことがとても心配。」という言葉がありました。

現在、JVCとAEIは、ガザ中部のヌセイラート難民キャンプとデルアルバラフ地区で、地域の女性ボランティアと協力しながら、5歳以下の子どもの健診やその後のフォローアップ、ビタミン剤の配布に加えて、栄養講習をしながら子育てカウンセリングを実施しています。この活動が中断されることで、子どもがビタミン剤を受け取れず栄養状態が悪化したり、栄養状態がそもそも悪い子どもたちの状況に対応できなくなってしまうのです。JVCとしても、その点は懸念していたところであり、通常の活動を行なうなかで状況を確認しながら、より困窮した家庭や必要なところに食料を配布するなどの緊急支援を行うことで合意しました。

これまで実施してきたガザの通常活動の詳細は、下記からご覧ください。

アマルさんが住んでいるガザ北部と、その南側に位置するガザ市は、最も激しい空爆を受け、今回の死者の約8割がこの2つの地域に集中しています。アマルさんは自分の家も空爆で部分的に損傷し、家の復旧に対応しながら、ガザの子どもたちのための活動にも力を入れています。そんな彼女や他2名の保健師、そしてボランティアさんたちと、今後も活動をともに出来ることを大変光栄に思います。

写真はアマルさんが撮影した近所の様子です。

倒壊していなくても、もう人が住めるような状態ではない家屋がたくさんあります。

この地域には国際支援がたくさん入っているということで、まずJVCとしては通常の活動地であるガザ中部での支援を実施しますが、北部の情報収集も引き続き実施していきます。

今現在、緊急支援募金の呼びかけを通じて、6月7日現在で153名の方から、200万円を超えるあたたかいご支援をいただいています。心より感謝申し上げます。

現在、先にお伝えしていた緊急支援(食料と衛生用品の配布、そして心のケア研修)の準備と、通常活動の継続の他に、ガザ唯一のリハビリ専門病院への支援も検討しており、これらを実施するためには、全体で 少なくともあと200万円 が必要で緊急事態から子どもたちの未来まで、長い目で見てガザの子どもたちの健康を守っていけるよう、ぜひ引き続きご協力をよろしくお願いいたします。

※リハビリ病院についてはまた追って詳細をお知らせいたします。

支援の内容と現地からの不安の声

(6/4更新)
 既にたくさんの方々からご支援をいただいております。心より御礼申し上げます。みなさまの想いをのせて、しっかりと現地に支援を届けたいと思います。


 停戦から2週間がたち、ガザの人びとは日常を取り戻すため、瓦礫の中で、生活の再建に必死で取り組んでいます。しかし、現地からは「この停戦がちゃんと続くのか・・また空爆を受けることになるのではないか不安だ・・・」「住み慣れた街の変わり果てた姿を見るのが辛い」「疲れ切っているけど、空爆の時の習慣で、未だに夜眠ることができない」「子どもたちの心の傷が深刻だか支援して欲しい」といった声が届いています。

 こういった状況を受け、JVCでは現地パートナーと相談の結果、まずはこれまで活動してきた地域でより困窮している家庭へ食料と衛生用品を配布し、並行して保健師とボランティアに心のケアの研修を受けてもらうことを計画しています。

 人びとの心のケアを行うために、まず初めに保健師やボランティア自身の心のケアを行うことも大切です。 現在、ガザには世界中から緊急支援金が集まっており、特に被害の大きかった北部の国境付近にその支援が集中しています。
 一方JVCは、もともと活動を継続してきたガザ中部において、小さな子どもを抱えさらに困窮する家庭を中心に支援を行いながら、引き続き情報収集をしていきたいと思っております。
 また、この停戦が守られ、人びとが再び危険にさらされることがないよう、国際社会の一員として日本政府にも外交努力をしてもらうよう引き続き働きかけていきます。

 ~パートナー団体の保健師・ラナさんからのメッセージ~ 

「まずはじめに、ガザの人びとは日本のことが大好きで敬意を持っていますし、何よりもこれまでのガザへの支援、そしてガザに心を寄せてくださっていることに大変感謝しています。しかし、空爆は人びとに大きな痛み、喪失、そして恐怖を残し、経済的にも大きなダメージを与え、さらに支援が必要な状況になってしまいました。どうか引き続きあたたかいご支援をお願いします。」

(右:活動中、家庭訪問で訪れたお家の子どもに優しくほほえみかける保健師のラナさん)

ガザの現状

 パレスチナ・ガザ地区では、5月10日以降、イスラエルによる11日間にわたる空爆により、66名の子どもを含む242名が命を落とし、約2,000名が負傷しました(5月23日現在)。空爆は日に日に激化し、人々にとっては恐怖の毎日が続きました。現地からは「次は自分が死ぬかもしれない」「とにかく祈ってほしい」「足が震えて立てず、手の震えでスマホのボタンすら押せない」といった悲痛な声が連日届きました。

 5月21日に停戦を迎えたものの、ガザにおける建物やインフラの損害は甚大です。多数の負傷者に対応するなか、病院も空爆の標的になったため医療もより逼迫し、あらゆる面でこれまで以上に支援が必要な状況となっています。また、家族や友人など大切な人、家や財産、生活を失ったこと、そして11日間におよぶ恐怖による人々の心の傷は消えることはありません。

 過去約20年間ガザ地区で活動を行ってきたJVCは、そういった人々に寄り添って、一助となれるよう、緊急支援の準備を開始しております。現在、現地のパートナー団体や国際NGO、関連諸機関など各所と連絡を取って情報収集をしており、詳細についてはわかり次第この場でご報告させていただきます。

 どうか、みなさまからのお力添えをお願いいたします。

今回の事態の経緯と緊急募金の使途

- 経緯 -

 70年以上もの間、イスラエルによる占領と封鎖が続いているパレスチナでは、パレスチナ人が暮らす土地や家屋の収奪も大きな問題となってきました。特に東エルサレムのシェイク・ジャラ地区では現在もパレスチナ人住民がイスラエル当局により立ち退きを求められており、抗議デモ参加者とそれを制圧しようとするイスラエル当局との間で連日衝突が起きていました。さらに、イスラム教の断食月(ラマダン)に、イスラエル当局により旧市街のイスラム教徒の出入口が封鎖され、またイスラム教徒にとって非常に重要な場所であるアル=アクサー・モスクで5月7日に大規模な衝突が起きており、さらに5月10日、パレスチナ人とイスラエル市民およびイスラエル警察との間で大規模な衝突が発生し、敷地内で催涙ガスやゴム弾も使用され、特にパレスチナ側に多数の負傷者・逮捕者が出ました。

 そのなかで、同5月10日に、エルサレムのパレスチナ人に対する連帯を名目に、ハマースによりガザ地区からイスラエルに向けてロケット弾が発射され、それに対する報復としてイスラエルがガザへの空爆を開始しました。 これにより、イスラエル側では、現在までに2名の子どもを含む12名が亡くなっています。


- 緊急募金の使途 -

 まずはガザ地区への空爆で生じた被害に対する緊急支援に使わせていただきます。そのうえで、現地で活動する他の国際NGOや国連機関との調整を通じて、現地の状況とニーズに合わせ、JVCがパレスチナで行ってきた子どもの栄養失調予防支援にも資金を使わせていただきたいと考えています。引き続き国際社会や日本政府への働きかけや、発信活動も行って参ります。どうぞよろしくお願いいたします。


 JVCのパレスチナ事業は1992年にヨルダン側西岸地区で開始され、2002年からはガザ地区での活動を開始しました。

 ガザ地区では、イスラエルが2007年から陸海空を封鎖しているために経済状態が悪化し、栄養不足に陥る子どもが後を絶ちません。その中でJVCは母子保健を専門とする現地パートナー団体AEI(Ard El Insan、「人間の大地」の意)とともに、母親たちに子育てや栄養についての知識を伝えることを通じて、子どもたちの栄養不足の予防と改善のための事業を行ってきました。このような活動は変化をもたらすのに時間がかかり、継続的な関わりが重要となります。

 JVCは、今回の空爆の被害により、もともと栄養不良に苦しみこれまで支援を受けてきた子どもたちと、その家族に影響が出る可能性が高いと考えています。この活動は空爆を受けて中断していますが、このため、できるだけ中断期間を短くして継続していくことも現状下で必要とされています。

これまでの活動はこちらから。

 現在、今回の空爆の被害に対する緊急支援について現地パートナー団体と話し合いを進めています。まずは現地で働くパートナー団体や裨益者の心身の回復を考慮しながら、できるだけ迅速に現地におけるさまざまなニーズに対応できるようにしていきたいと思っています。

 また「事態の経緯」でご説明したとおり、今回の空爆は、東エルサレム(ヨルダン川西岸)で生じている問題と連動しており、この問題が解決されないかぎり、残念ながら、再び同じことが起きる可能性が否めません。JVCは、過去約30年の間、東エルサレムで、イスラエルによる占領下に置かれた人びとへの支援を行ってまいりましたが、長引く占領下において、状況は悪化し続けています。現在は、特に女性と子どもたちへの支援を行っていますが、一連の衝突により、これらの活動も影響を受け、中断されています。しかし、彼らへの影響を考えると、この活動も同様に再開・継続する必要性が高いと考えています。

 このため、まずは、ガザ地区での緊急支援を中心としながらも、JVCのパレスチナ事業全体へのご支援を通じて、パレスチナの人々をともに支えていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

  • JVCは認定NPO法人です。ご寄付により控除を受けられます。(1万円の募金で最大3,200円が還付されます)。
    所得税控除に加え、東京・神奈川の方は住民税の控除も。詳しくはこちらをご覧ください。

  • 皆様のご寄付は今回の緊急支援に充てますが、万が一資金が残った場合は、弊センターがこれまでガザで実施してきた「ガザの子どもの栄養失調予防・改善の活動」などに充てられます。